RateYourMusic を巡回していたら2003年の年間ランキング4位に挙げられていたこのアルバム。近未来感のある色とりどりのジャケットとvelocity:design:comfort.という抽象的なタイトルに妙に心惹かれたので聞いてみたところかなりハマってしまい、いつの間にかBandcampの購入ボタンをクリックしていた。 日本語で調べてもあまりこのアルバムについて書かれた情報は見つからなかったのが残念。

サンフランシスコのSweet Tripと言うバンドの2枚目で、2009年の3rd以降新作は出ていないようである。 2013年にはSoundcloudに曲がアップロードされていて、Probably not the last Sweet Trip song ever. とあるので解散はしていないみたいだ。

シューゲイザーとIDM、グリッチが美しく溶け合ったようなサウンドは、他に似たような曲を聞いたことがないからなのか、 それともジャケットを見た先入観なのか、15年以上前のアルバムなのになぜか未来を感じずにいられない。

1曲目のTekkaだけはやや2曲目以降とは趣が異なる曲で、どこかAuthchreを連想するような攻撃的なドリルンベース。聞いているうちに現実の世界から離脱し、アルバムのジャケットの中の世界にどんどん没入していくような意図があったのだろうか?

普通のシューゲイザーだと聞いている間にうたた寝から夢の世界に入り込んでしまうような気分にしばしば陥るが、このアルバムだと徐々に夢の世界といっても電脳空間、仮想空間に誘われていくような気がする。

CDとダウンロードのみのリリースのようだが、レコードでリイシューされてほしい。

(2020/6/29 https://darla.com/products/sweet-trip-velocity-design-comfort リイシューされていました)

リーダーのRoberto BurgosのSoundCrowd: https://soundcloud.com/wotf

好きな曲: Dsco, International, Dedicated, To All The Dancers Of The World